霊的な治療を体験する

 ハープによる祈りを治療に取り入れ始め、毎晩霊的知識を学んでいた折、不思議な体験をしました。私は人の見えないものを見たり、聞こえないものを聞いたり、感じないものを感じたりするいわゆる霊感体質ではありませんが(これは現在でも同じです)、常識的には考えにくいことが起こりました。

 2004年9月、当院に通院されていた方が自宅で脳出血も起こし急遽入院されました。お見舞いに伺った際には左脳での出血だったようで、いわゆる“右麻痺”状態になっていらっしゃいました。私はベッド際で心の中で「大霊様、○○さんの守護霊様、霊界の治療医の先生方、○○さんの右麻痺をお治しください。併せてがんの平癒もお祈り申し上げます」とお祈りして、私の手を彼の右手や右足、左頭にかざして5分ほどした後、「手は動きます?」と尋ねました。するとそれまで動かず身体の脇に置かれて伸ばされていた右手がスルスルとみぞおちのあたりまで曲げることができたのです。

  またある時は縁あって多重人格の方の治療をすることになりました。その方の内面には明らかな他者がいるそうでその時点では3人おり、ひとりは中年の男性、ひとりはくみこという女性、あとひとりも女性だと言っていました。そしてその3人が入れ代わり立ち代り自分の口を使ってしゃべり、自分はそれを制止することができないので後ろで聞いているそうなのです。そして後から「今しゃべったのは僕ではないからね」と周りの人に念を押して回らないといけないので大変なんだと言っていました。

 ちょうどその直前まで『迷える霊との対話』(近藤千雄訳、ハート出版)や『死者は生きている』(萩原玄明、ハート出版)などの書籍から「多重人格は霊による憑依の場合が多い」と知ったので、彼に霊が憑いているかは私には分からなかったのですが、鍼灸治療の終わった後、彼に「そのまま静かに休んでいてください。これからハープでお祈りをします」と言って、私はハープを弾き始めました。

   私はハープを弾いている間中、心の中で「この方に憑いている方々に申し上げます。もうあなた方は身体をなくされています。この世の身体はありません。あなた方はもう亡くなっているのです。これからは霊界に行かねばなりません。どうぞ気持ちを落ち着けて明るい方、温かく気持ちの良い方へ向かって歩いていってください。すると必ずあなたの縁者、あるいは守護霊様にお会いすることができて導いてくださいますから、きっとその方々の後に付いていってください。今のあなた方は他の方の身体(この場合は幽体)に入り込んでしまって迷惑を掛けていらっしゃるのです。どうぞよくご理解ください」と念じていました。

 5分ほどかかったでしょうか。弾き終わりうつ伏せの彼に感想を聞くと、「とても気持ちよかった。腰のあたりの重いのがすっきりした」、そして「くみこがね、『もういかなきゃいけないの?いかなきゃいけないの?』と言って出て行ったよ」と言ったのでこの時は本当に思わず自分でも驚いてしまいました。そして実際にそういうことがあること、自分のようなものでもそういうことができることを少し知ったのです。

 これらの体験から私は通常の科学では説明しきれないものが確かに存在すると強く思うようになりました。これは「知識には責任が伴う」「学ぶと試される」という理そのものの体験でした。