生姜湿布とは?

 
生姜湿布をしているところ
 生姜湿布(しょうがしっぷ)は痛みを緩めるのにとても良いお手当てです。
 すりおろした生姜入りのお湯にタオルを浸け、そのタオルを”蒸しタオル”として患部に当てて痛みを和らげます。台所でできてしまう簡単なお手当てです。

 当院では痛みの治療にはびわの葉温灸をしますので、その場合には生姜湿布の出番はありません。しかし腹水・胸水を取る里芋パスタをする際に下準備としてこの生姜湿布をします。

生姜湿布で用意するもの

生姜湿布で用意するもの
生姜  古根生姜150g前後
大鍋あるいは金ダライ
おろし金 できれば陶器製のものを。(指先をケガしにくい)
巾着袋、綿布、水切りごみ袋 日本手ぬぐいなど
木べら
温度計 キッチン用100℃測るもの
タオル4枚 (フェイスタオルを半分に折った大きさで5枚重ねのものをミシンや手で縫って作る)
バスタオル3枚
軍手、超厚手ゴム手袋(園芸用など)
80℃の湯3~6リットル
大きめのお盆
小皿

生姜湿布のやりかた

①生姜を摩り下ろし、まとめる

生涯を摩り下ろし、布などにまとめる
 生姜は皮ごと摩り下ろします。

 摩り下ろした生姜を巾着袋やガーゼ、日本手ぬぐい、水切りごみ袋などにまとめます。この時、おろした生姜が外に漏れ出ないようにきっちりと輪ゴムなり紐なりで縛ります。私は写真のように半分に切った日本手ぬぐいにおろした生姜を入れててるてる坊主にしています。

 生姜を摩り下ろした際に出たしぼり汁は捨てません。上のショウガを入れた袋とともに沸かした湯に後ほど入れます。

②80℃のお湯を用意し生姜を入れる

 大鍋か金ダライに80℃の湯を5~6リットル用意します。
 この湯の中に①で作った摩り下ろした生姜の入った袋とそのしぼり汁を入れます。

 そして鍋の縁で木べらで袋を押しつぶして生姜のエキスを湯の中に拡散させ、湯が白っぽく濁ればOK。


 このとき湯の温度が少し下がりますので80℃になるように過熱、保ちます。このとき、沸騰はさせないでください。生姜の酵素が死んでしまうと言われています。

③厚手のタオルを作成、用意する

生姜湿布用の厚手のタオル つくりかた
 フェイスタオルを2本半用意します。1本を半分の長さに切ります。2本半のタオルから5枚の半ギレタオルができますね。その5枚を重ね、ミシンあるいは手で縫ってください。

 生姜シップがうまくいくかいかないかはただ1点、この厚手のタオルをちゃんと作って使うかにかかっています。これを作らないでいると毎回途中でばらけて熱が分散し、タオルが冷えてしまうのでうまくいきません。

④タオルを熱湯に浸す

 ③で作ったタオルを4本、80℃に温めた②の熱湯の浸します。
 このときタオルは絞りやすいように縦の長手方向に二つ折りにして4本とも熱湯に浸します。
 生姜湿布を初めてするときはタオルは乾いていますから80℃の温度の湯で良いのですが、二度目以降の際には4本のタオルが前回のお手当ての後で乾いていない時があります。そのような際には4本のタオルを大鍋に入れた時点で湯温が80℃から一気に下がってしまいますので、タオルを入れる前からあらかじめ85℃くらいに温度に上げておいたほうが湯温が下がらなくてよいでしょう。


⑤タオルを絞る

生姜湿布のタオルを絞る
 ④で熱湯にひたした4本のタオルを絞ります。 

 軍手をして園芸用品売り場やホームセンターなどで売っている超厚手ゴム手袋をします。薄い手袋だと湯の熱さで手のひらがやけどしてしまいます。大きさも軍手をしてからはめるのでラージサイズでないと手が入らないでしょう。もちろん手が小さい方はこの限りではなく、Mサイズでもよいかもしれません。

 写真のような肘まであるような長いゴム手袋はあれば便利ですが短くても差し支えありません。鍋周りに湯をこぼさぬようタオルを絞ります。

⑥タオルを叩いて冷まし、肌に当てる

生姜湿布のタオルを鍋から引き揚げて絞っている
 写真は鍋からタオルを引き揚げて絞っているところです。次にこのタオルのねじれを解き、縦二つ折り状態に戻します。

 そのタオルを今度は横半分に畳み、これを両手のひらでパンパンと叩きます。素手でしますからそうてとう手のひらが熱くなります。 ここのところは大事ですのでぜひ下の動画を参考にしてください。

 横半分に畳んだタオルを開いて縦二つ折り状態に戻し、叩いて冷ました方の面を患部に当てます。このときタオルを肌にふわっと乗せます。 決して押し付けてはいけません。

 「熱くないですか?」と聞きます。熱ければすぐ取って再度パン!パン!と手のひらで叩いてタオルを冷まし、再び叩いたほうを肌に触れるようにしてタオルを患部に乗せます。


 「しばらくすると熱くなってきます。絶対熱さを我慢しないでくださいね。我慢してしまうと火傷してしまいその後の手当てができなくなってしまいますので」と患者に注意点を説明します。

*しばらくして熱くなってくるのはタオルが厚いために中に篭っていた熱が出てくるからです。パンパンと手のひらで熱を中に 叩き込んでいるからでもあります。この“熱さが持続すること”が大事なのです。

 次のタオルをかぶせます。同様に注意を払います。ひととおり患部の肌を覆ったあとは熱源として叩かないそのままのタオルを 肌に乗せたタオルの上にさらに乗せます。


この上にバスタオルを掛けて保温します。
 *注意:バスタオルの上にビニールシートなどを掛けてはいけません。この手当ての目的は体内から毒素を出す ことですのでビニールシートなど通気性のない素材で覆ってしまいますと、体外から出した排ガスをうまく大気中に逃がせなくなり かえって逆効果です。 




生姜湿布の時間の目安

生姜湿布で温められて赤くなったところ
 生姜湿布で温めている時間の目安は肌の赤味です。人によって違いますが15分前後でよいでしょう。
 早い人は5分で赤くなってしまいますが。

 これは生姜湿布の熱によって肌が温められ、皮膚直下の毛細血管が拡張し血行が良くなったため、毛細血管中を流れる赤血球が増えたから皮膚が赤く見えるようになったのです。

 自律神経がきちんと働いていればこのような反応は素早く起きます。しかし長患いなどで自律神経がうまく機能していない場合にはこのような反応がなかなか表れないこともあります。

生姜湿布のしかたの動画

生姜湿布中の注意点

 タオルの冷え具合は湯の温度、室温、患者さんの体温などによって毎回異なりますので、患者さんの体を冷やさないように手当する人は バスタオルの脇から手を差し入れて、湿布タオルが冷えていないかよく注意しましょう。
 「冷えてきませんか?」と声を掛けます。患者さんに冷えを感じさせる前に全部取り替えるのがコツです。患者さんが「ちょっと 冷たくなってきた」とか「熱くなくなった」と言う状態は既に冷えすぎです。こうなる前にタオルは取り替えて新しい熱いタオルを被せ、 再度患者さんに温まってもらいます。

 もし用意したタオルの枚数が少なくすぐに熱い交換用のタオルの準備ができない場合には、冷めたタオルを交換する際にはタオルの処置に気を取られず、患者さんの濡れた体を乾いたバスタオルで拭うことを優先しましょう。

生姜湿布Q&A

Q1.前のホームページでは材料として、びわの葉エキス、塩をお湯に入れていました。入れなくていいのですか?

A1.これまで生姜湿布をしてきましたが、その中ではびわの葉エキス、塩を入れなくても効果は変わらないようでした。びわの葉エキスは一般のスーパーなどでは売っていないものですし家庭で作るにしても時間がかかりますので割愛しました。

Q2.腹水を取るために里芋パスタをしています。里芋パスタを貼り替える際には生姜湿布をするとのことですが、前回分の残りの生姜のお湯でもう一度生姜湿布をしても大丈夫でしょうか?

A2.いいえ。効果が薄いと考えられますので手間ですが再度、生姜を摩り下ろして新しいお湯を作ってそれで生姜湿布をしてください。生姜の効果はあの揮発性の香りにあると考えられていますので、約4時間前におろした生姜を入れて作った湯では効果のある成分は揮発してしまってほとんど残っていないと考えています。

Q3. 新生姜を使ってもいいですか?

A3.新生姜には古根生姜ほどのパワーがありません。生姜湿布には必ず古根生姜、根生姜を使ってください。