腹水・胸水の治療のしかた

腹水・胸水には生姜湿布、里芋パスタを施す


 腹水の治療には → 生姜湿布、里芋パスタ をします。

 Youtubeの動画はこちらです → がん性胸水・腹水への生姜湿布と里芋パスタの手当ての仕方

 里芋パスタとは里芋と生姜を擦りおろし小麦粉を併せたものをペースト状にフランネルの布に塗り広げ、これを腹水で張ったお腹の皮膚表面に貼り付けます。そして腹水を汗として体表から吸い出す手当です。
 
 浸透圧の原理によって腹水中の水分がお腹に貼った里芋と小麦粉の混合物の中に移るために腹水が減少すると考えています。これまでにも多くの方の腹水がこの方法で取れるのを見てきました。きちんと続ければ効果の出る手当てですのでぜひ試してみていただきたいです。

 腹水が溜まるほどの容態ですと急変することもありえますので早めに始めましょう。腹水の手当は早ければ早いほど短期間で済みます。

 腹水により膨れたお腹には生姜湿布をしたあと里芋パスタをします。膨れたお腹の体表から汗として腹水を吸収し徐々に減らしていきます。里芋パスターは4時間後に剥がす際には貼りつけた時の固さよりも柔らかくドロドロに変わっています。体内から抜かれた腹水が里芋パスターに吸収されたのです。

 これまで「そばパスタも腹水によい」と書いてきましたが臨床を重ねた経験から「そばパスタでは腹水を取るのに効果が薄い」と感じています。腹水には里芋パスタをしてください。体が冷えている方や里芋パスタの冷たさが堪える方にはパスターを湯煎にするなどしてください。

腹水が生姜湿布・里芋パスタの手当てで引いた方からの手紙 1

<腹水が引いた方からの手紙>
 聡哲先生、先日はありがとうございました。
 4月22日に初めて先生にお会いし、治療の仕方を教えていただいてから10日が経ちました。あの日から、一日三回、里芋パスターを貼り続けたところ、日に日にお腹が小さくなり、28日の検診でCTに写る腹水は、半分になっていました。

 主治医に里芋パスターのことは、説明してないので、アリムタという抗がん剤がよく効いているとおっしゃっていましたが、主人は両方の力で良い方向に向かっていると信じています。なので、二回目の抗がん治療を5月8日に打ちます。せっかく回復してきたところに、またダメージを与えるのは、つらいことですが、主人の病気の性質から、やむをえないと考えます。

 メールで失礼とは思いますが、これから、どのようなお手当てをしたら良いか、教えていただきたいと思います。 里芋パスターは、主人の両親にお願いして、やってもらっています。最初は半信半疑でしたが、みるみる小さくなるお腹を見て、非常に驚いています。家族の祈りの大切さを実感しています。先生には、たくさんのことを気づかせていただきました。今は主人も私もいっぱいの感謝の中で生活している気がします。とても嬉しいです。先生にお会いできて、本当によかった。これからもご指導、よろしくお願いします。Y.N
2009.5.2 02:21

 早速、返信をいただき、感動しております。今日もまた、お腹がへこんだようで、半分とは言わず、腹水がほとんどないように思われます。 体重の変化のをみても、ピークの時が82.5㎏、先生に診ていただいた時が78㎏(副作用で食事があまり摂れなかった時ですが)そして今日が75.4㎏。ただ、おへそが2cmくらい右に寄っているので、腫瘍らしき物は残っているのでしょうか。CTでは、その部分も小さくなったと主治医は言ってたそうです。とにかく、いただいたアドバイス通り、実行あるのみです。
 三週間前には、今日のような日が来るとは、全く予想できませんでした。ありがとうございました。頑張りすぎず、やってみます。N.Y
2009.5.2 14:48

 お返事ありがとうございます。教えていただた通り、里芋二回、ビワの葉一回で実行しています。主人は、眠っている間の里芋パスタが、吸い取っている感じがすると言っています。私には、その感覚は全くわかりませんが、圧倒的に主人は元気になりました。
 
 副作用で、髪が少し抜けますが、そんなことは気にしない。腹水パンパンの時は、すべてが不安で、悲しくて、憎くて・・・今は、腹水のおかげで、聡哲さんに会えたと言っています。腹水に感謝しています。同じように苦しんでいる人がいるなら、ぜひお役に立ちたいと思います。 私たちもまだまだ気が抜けない状況ですが、ゆったりと構えてお手当てを続けていきたいです。誤字など、修正してお使いください。文章力、あまり自信がないので・・・次の抗がん剤が抜けた頃、また二人で伺いたいと思っています。N.Y
2009.5.5 18:45

腹水が生姜湿布・里芋パスタの手当てで引いた方からの手紙 2

 腹水を取る里芋パスタのお手当についてのご報告メールをいただきました。患者さんはメールを下さった方の72歳になるお父様で胃ガンから肝臓に転移され腹水貯留の症状で現在入院中です。病院で工夫しながら行っている里芋パスタが功を奏したこと、里芋パスタを剥がす際の工夫を教えてくださいました。ありがとうございます。

<1通目>
 遠藤先生へ 
 こんにちは、Mでございます。昨夜は診療時間外にも関わらず、ご対応いただきまして誠にありがとうございました。 起きました!奇跡が。2回目の最中に左足の浮腫みがみるみるひいていき、今朝は右足の浮腫みも幾分ひいてまいりました。看護師さん達も驚いています。正にミラクルです。今は5回目のお手当て中です。楽しみながらお手当てさせていただいております。 

 昨夜お問合せしました里芋パスタを剥がす時に難儀をした件ですが、2回目以降はバリッと一気に剥がすのではなく、先にテープを外し布地の一辺をゆっくりと内側に巻き込みながら拭き取るように剥がしていきましたら、肌への付着分がほとんどなくなりました。残りはラップを巻いたヘラで優しく剥がして、蒸しタオルで拭いて完了です。これで安心して母へ引き継ぐことがてきます。 

 1回目の時は、腹水でパンパカパンのお腹をあまりに激しく拭いてしまったら、何かの拍子にお腹に傷がつき腹水が噴水みたいに吹き出てきたらどうしましょう?といった、無知なるが故の恐れがティシュを1ケースも無駄にしてしまったのだと思います。医療現場だと思って変に構えすぎていたのかもしれません。 今後は先生へご連絡する前に、まずは深呼吸し冷静になって自分の中にある答えを絞り出します。お騒がせして申し訳ございませんでした。本日、先生は休診日ですね。素敵な休日をお過ごし下さいませ。M.Y 2009.8.27 13:07

<2通目>
 遠藤先生へ いつもお世話になっております。 
 父の腹水の状況は、お陰様で里芋パスタの回数を重ねる毎に引いております。左足に比べて右足の引きが遅いので、昨日と今日は股関節に枇杷の葉コンニャク湿布をいたしました。 その甲斐あってか、足が軽くなった父は自由に歩けると思いこみ、昨夜は一晩中、隙あらば病室から脱走しようとしておりました。ですが、気持ちとは裏腹に貧血が酷く立ち上がってもフラフラして足元がおぼつかないので、すぐにベッドへ逆戻り…といった状況でした。従いまして、付添いを交代したと同時に私は睡魔に襲われ先程まで爆睡しておりました。(後略) 2009.8.28 19:07

腹水の手当て Q&A

Q1.腹水の治療ではまず生姜湿布を行ってから里芋パスターを行えば良いのでしょうか?

A1.そのとおりです。まず生姜湿布をすることで患部を温めます。それにより血管が開き血の巡りがよくなりますので、老廃物や腹水などが吸い取りやすくなります。この後、里芋パスターをして患部から水分と共に悪性成分を抜きます。
 ですから、里芋パスターは一定の時間が経ったら貼り替えますが、その際にはまた新たに生姜湿布をしてそのあと、パスターをします。生姜湿布→パスター→生姜湿布→パスターと必ずセットで行うことが効果を高めます。

Q2.効果が現われるまでには人それぞれ違うと思いますがだいたいどのくらいかかるのでしょうか?

A2.こればかりは一概に言えません。お一人お一人溜まっている腹水の量も抜けやすさも違いますから。ただ、1回でも行うと少しずつでも腹水は抜けていきますので、敏感な患者さんは1日おこなっただけでも楽になることを体感されるようです。

Q3.一日に何度も行って回数が多い方が効果があるのか、適度に行っても効果は変わらないのかどちらが良いのでしょうか?

A3.腹水の溜まった状況であれば、里芋パスターを24時間貼りっぱなしが理想です。しかし現実には3~4回行えればいい方だと思います。この手当ては介抱するほうも大変ですので、介抱する方が倒れない程度に、ということも大事なことです。
  一日に1回(4時間)程度の生姜湿布と里芋パスターではあまり効果は期待できないでしょう。
 しかしこれはすべての手当てに共通することですが、必ず病人の様子を見ながら手当てを加減してください。 その目安は「病人が疲れないか、体力を落とさないか」です。手当てを一生懸命やってかえって病人が具合が 悪くなったということもありますので、最初からいっぺんに多くの手当てをしないほうが良いでしょう。

Q4.ビワの葉温灸も併用すると高い効果が得られるのでしょうか?

A4.びわの葉温灸はとても効果があります。里芋パスタを貼っている場合には患者さんに横になってもらって、背中側をしましょう。1回に15分くらい、みぞおちの裏あたりや腰、あるいは両方の肩甲骨間などをしてあげてください。大事なことはやりすぎないことです。30分は長すぎると思います。

Q5.(胃癌の場合で)胃の噴門部と幽門部の狭窄改善にもやはりビワの葉温灸を行えば良いのでしょうか?

A5.私なら生姜灸(私のホームページのへそ灸のところにあります)をみぞおちあたりにして胃の蠕動運動を高めて狭窄を解きたいと思います。しかし、これは狭窄が一時的なもので消化管が動いてその拘束が解ける場合に限って有効です。
 もし胃の幽門部、噴門部の狭窄が腫瘍の増大によるもので、多少胃が動いても狭窄が変わらないのであればこの方法も効果が少ないと思われます。
 私はびわの葉温灸よりも生姜灸で成果を得てきましたので生姜灸をお勧めしますが、この方法はもぐさが必要ですのでネットなどで購入してください。

Q7.一日一回では効果は期待できない?(今は出掛けてしまうと一回しか実施しない日がある)

A7.できれば回数を多くしたほうがよいです。里芋を貼っているあいだじゅう、腹水を抜いてくれるのですから。

Q8.かなり腹水が柔らかく?なっている。これは良い傾向なのでしょうか。以前はお腹が張ってくると硬くなっていた。 

A8.生姜湿布、里芋パスターの手当ての賜物ですよ。もちろん良い傾向です。ご本人も楽になっているでしょう?

Q9.かなり汗をかいて体温も上がっている。が気分は悪くないようです。このことは良いことですか?

A9.もちろんです。ただ汗が冷えて体を冷やすことに注意しましょう。癌を治すのに体温が上がることは良いことです。 疲れていないのならば成功です。

Q10.生姜のエキスのお湯は一度冷まして、時間をおいて再度温めて使うのは問題ないですか? 

A10.いいえ。一回ごとに捨ててください。面倒くさいと思われるでしょうが毎回毎回生姜湿布の湯は作り直してください。生姜の命が治していくので、時間がたったものは命が失われています。湯の再利用は不可です。

Q11.確かに実施する前より腹水の状態は良くなっているし、気分も良くはなっている。また食もだいぶ改善されています。でも、腹水の量は目だって減っているようには感じません。もちろん一週間や二週間でどうかするわけではないと思いますのでまだまだこれからだとは思いますが、生姜湿布・里芋パスターのパワーを信じて頑張って行きたいと思います。

A11.腹水は必ず引いていきますので功をあせらずやり続けてください。あと、梅しょう番茶というものを飲んでいただけるといいのですが。作り方はネットなどで検索してみてください。  生姜湿布、里芋パスターで体から水分と塩分が抜けていきますのでそれを補ってくれます。

Q12.生姜湿布と里芋パスターを行ってみようと思っているのですが、里芋パスターは作り置きは可能でしょうか?

A12.作り置きした里芋パスタで私は手当てをしたことがないので、比較の上で効果のあるなしは分からないのですが、里芋パスタの効果はその命だと思っています。  ですから作り置きしたパスタだと里芋の命が既に失われていると思うのであまりお勧めしません。  里芋パスタでたいへんなのは里芋の皮を剥いて摩り下ろすことですね。手間なので時間のあるときにまとめて作っておきたいものですが、私はそれはしていないです。  でもご都合もあるでしょうからお手当てをするあなたが疲れないようにご自分で臨機応変にされるのが良いと思います。なにしろ手当する人がダウンしてしまうようでは長続きしませんから。

Q13.最近、里芋パスターを始めたのですが毎回同じところにテーピングを張るので皮膚が赤く残ってきました。テーピングを剥す時も皮膚にべったり付いているので一苦労です。しかも痛いそうで・・・何か良い方法はありますでしょうか?

A13.確かにテーピングテープの粘着力は強力ですので、テープを何度も貼ったり剥がしたりを繰り返していくと肌が弱い人のみならず普通の人でも皮膚が傷んできて剥がすときに痛みが出ることがあると思います。  その場合にはテープを皮膚から剥がすときにリムーバーという液体の薬剤を使うと痛みがほとんどなくテープを剥がせると思います。私が患者さんに教えてもらったのは「3M皮膚用リムーバー」というものでした。ネットで1260円で購入できます。ご参考になれば・・・